○八事病院のアルコール医療の歴史と特徴
・八事病院のアルコール専門医療は、1973年3月に始まり50年を超える歴史があります。アルコール問題を抱えるご本人およびご家族のアルコール依存症の回復を支援してきました。とくに2013年12月に“アルコール健康障害対策基本法”が制定されて、アルコール依存症が再発しないように従来の通り自助グループの“断酒会”との連携も深めてきました。またアルコール依存症まで進行をしないように“早期発見・早期治療”のためにSRIRTSの運動にも力を入れてきました。
・また八事病院のアルコール医療の特徴として、精神科ばかりでなく内科、ことに消化器科の専門医療も行い、心身の健康を図るように努めてきました。
・アルコール相談/連絡の窓口は、当院の地域医療連携室です。アルコール関連の問題について何でもご相談を下さい。またアルコール医療の受診は毎日午前/午後にアルコールの予約枠を設けて早期に診療を受けられます。具体的な受診日等につきましては地域医療連携室へ直接連絡をして下さい。
〇アルコール外来診療
・外来の担当医がアルコールに関連するいろいろな問題の相談を聞き、診断と治療を行います。
・例えば肝臓が悪くても飲酒を続け、家族への暴言や暴力、遅刻や朝飲んで出勤するなど会社での問題、それに飲酒運転や喧嘩などの社会的な問題などアルコールに関連する問題は多岐にわたりますので、気にかかる問題があれば何でも気軽に相談をして下さい。
・外来で簡単な問診を参考にして、血液検査や脳画像検査、脳波検査、それに必要な場合には、内科の消化器科専門医の診察や認知機能検査なども行います。そして最終的に、担当医と、患者さまと家族も交えて、今後の治療方針を外来治療にするのか入院治療にするのかを決定します。
・外来治療では節酒を行うか断酒をするのかで治療が異なります。
〇アルコール入院診療
・入院は原則、3か月間です。もちろん酒類、たばこ類、危険物、金銭などの持ち込みは禁止です。最初の1か月間は主にアルコールによる身体の回復にあてます。次の2か月目は本格的にアルコール依存症の学習テキストを使って行います。最後の3か月目は地元の断酒会へ参加するなど退院に向けた実践を行います。
・また入院中は、毎週金曜日の午後に開催される“断酒の集い”に参加して、すでに断酒会へ参加されている断酒の先輩に直接話を聞くことができます。安心をして“酒なし人生”を送れる術を学びます。また家族も参加して、アルコール依存症への理解や対処法などを学べる家族会もあります。
・また入院中には日常内観法、アテンションプログラム(注意力を増して早期の回復をはかる参加型プログラム)、アンガーマネイジメント(怒りの感情を大切にしながらその対処法を学習)、作業療法(散歩をしたり心身のリハビリを行う治療)などが実施され、皆様の回復が早く順調に進むお手伝いをします。
詳しくは、当院の地域医療連携室まで連絡を下さい。